増渕正明院長・整形外科医
               



     1972年の開院以来、塩原の豊富な温泉を利用して、多くの患者さんのリハビリを行ってきました。昨年秋には塩原の自然環境を取り入れた新病院も開院。
    普通の病院と違って、ゆったりとした病室だけでなく、プール浴や一般浴、病室の浴室を備えています。
                              
                                               ■豊富な湧出量
    栃木県の源泉の数は全国十番目に多く、豊富な湧出量を誇っています。温泉に含まれる化学成分によって分けられています。化学成分が少なく温かいお湯
    である単純温泉は体に刺激が少なく静養に向いています。塩化物泉は塩分が汗腺をふさぎ汗を抑えるので、体が温まり保温効果かがあります。塩原病院の温泉
    は塩化物泉なので、「熱の湯」と言われています。 逆に、炭酸水素塩泉は汗腺の脂肪や分泌物を清浄化して皮膚を滑らかにし、清涼感があります。
    硫黄塩泉は古くから「傷の湯」と呼ばれ、切り傷ややけどに効果があると言われています。そのほか卵の腐ったような硫化水素ガスのにおいが特徴の硫黄泉が
    あります。
    なぜ、温泉がリハビリに取り入れられているのでしょうか。温泉には化学的効果、物理的効果、その他調整作用効果があるからです。化学的効果とは、温泉の成分
    が皮膚についたり、皮膚や呼吸器から吸収されたりして出る効果のことです。物理的効果は、四十二度以上のお湯で温まることで、より神経や循環器が刺激され体
    の代謝が活発になることと、三十六度〜三十八度のぬるいお湯で神経の興奮が抑えられ、ゆっくりとした気分になることの二つがあります。
                                               

                           



                                                ■身体を正常化
    さらに、プールでは、水の抵抗で筋肉に負担をかけ筋力を増やしたり、反対に水の浮力を利用して足腰や関節に負担をかけずに運動したりすることが可能になります。
    山岳地の温泉では気圧が下がるために、呼吸活動が活発になり、呼吸機能が強化されることがあります。温泉には、以上のようなさまざま作用が自律神経やホルモン
    に影響して、総合的バランスの崩れた身体の調子を正常化させ、外部からの刺激に対して抵抗力を増加させる効果があります。
    当院では患者さんの体調に合わせ効果的に温泉を利用しています。
                                                       2008年4月19日  下野新聞より
    
                                                                                           
                                                       

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